2016/12/26

つくってみてわかったこと

2016年もあと少し。そして、このブログもいよいよ最終回となりました。ミーナです。

今年の春から「半農半ライター」として活動をスタートし、6月からアイン朝市の仕入れや販売を担当してきましたが、実は加古川市内で畑作りにもチャレンジしてきました。


▲11月中旬の畑。夏にのびのびになった雑草が茶色く枯れていました

農業経験は、ほぼゼロだった私。最初は農薬や肥料を最低限使って教科書通りの野菜作りをしてみようと思っていましたが、他の業務をしながらの畑作り。時間が全然足りません。考えた末、農薬や肥料は使わず、自然の力だけで作物を育てる「ほったらかし農業」を目指すことにしました。

7月頃に植えたミニトマトとナスは、小さいながらもなんとか実をつけてくれました。ズッキーニは1本だけ収穫できましたが、その後はまったく実をつけず。カボチャも受粉をしなかったからか、実はなりませんでした。

「やっぱり手をかけてあげなあかんよなあ」というのが、今の感想。でもその一方で、育てる作物と土地の相性が合って、気候などの条件が良ければ、人間が手取り足取りお世話せずとも、作物は自分の力である程度育っていくんだと実感しました。

ということは、人間はあくまでも「サポーター」なんですよね。野菜がより良く育つために手助けする存在なのかもしれません。



11月中旬には、アインスタッフ4人でお芋掘りをしました。



刈り取った草を土に返すことで有機物を増やし、土地を肥やす有機農法の考え方を取り入れ、夏の間は地道に刈った草を土の上に置いていました。しかし、朝市準備や度重なる天候不順のため、10日に1度ほどしか畑に通えなくなり、あっという間にサツマイモの葉よりも草が高く伸びてしまいました。

そのせいで日照不足になってしまったからでしょうか。芋の数は少なく、サイズも小さいものばかり。それでも紅色のサツマイモを見つけた時は、うれしくてたまりませんでした。

畑で育てた作物をアイン朝市でお客さんにふるまう、というのが夢でしたが、1年目のひよっこファーマーにはとても大きな壁でした。残念!



初めての畑作りは、いろいろと失敗の連続でしたが、今後、暮らしの中にどうやって「農」を取り入れるか?まだまだ私の挑戦は始まったばかり。最後に、今年チャレンジしてみてわかったことをまとめてみたいと思います。

【まとめ】

1、畑はできるだけ住んでいる場所の周辺にある方が良い
 農作業初心者は特に、「作物の様子をマメに観察する」というのが一番の仕事のように思います。となると、気合いを入れて遠くの畑に通うより、家から歩いていける距離の畑を借りたり、庭やベランダ、屋上などをうまく利用してプランター菜園から始めるのが、長く楽しく続けるコツ。

2、難しく考えず、まずは種を植えてみよう
 「野菜の作り方」の本はたくさん出版されています。慣行農法、有機農法、自然農法…など育て方もいろいろ。初心者の頃は「どれが一番いい方法なんやろう?」と迷うと思いますが、「野菜を作ってみたい」という熱い気持ちがあるうちに、まずは種を植えてみて。「考えるな、感じろ」ですよ。映画『燃えよ、ドラゴン』のブルース・リー兄貴の言うとおり。やりながら、失敗しながら良い方法を探りましょう。

3、記録をとっておこう
 いつどこに何を植えた、という記録をとるのはもちろんですが、朝顔の開花日記をつける小学生のように、できれば細かく成長の記録を書いておくと、翌年以降に農作業する時の貴重なデータになります。「植える→観察→記録する」の繰り返しが、初心者ファーマーの農作業を助けてくれることでしょう。私はほとんどできなかったけど(涙)

4、旬・産地・品種を意識するだけで、買い物や料理がもっと楽しく!
 アイン朝市に毎週来てくださったみなさんは、旬の食べ物にずいぶん詳しくなったのではないでしょうか?私もその1人。縦に長い日本の国では、南から北へ順に旬が訪れます。また、日本で収穫できない時期は、海外から輸入したものがスーパー等に並びます。年中何でも手に入る世の中ですが、旬や産地、品種などを意識して野菜や果物を選ぶようになると、買い物や料理をするのがもっと楽しくなりますよ。




誰もが農家を目指さなくても良いだろうし、誰もが自分で野菜を作らなくても良いと思う。だけど、毎日自分が何を食べているのか?どんな命が自分の身体を支えてくれているのかを意識して暮らすだけで、日々の生活がもっと充実してくる気がします。

なにより、旬の野菜や果物ってものすごくおいしい!作物から教えてもらったその感動を胸に、私はこれからも「食・農」に深く関わりながら、生きていきたいと思っています。

これまでブログを読んでくださったみなさん、本当にありがとうございました。ブログはひとまず終了ですが、また再会できる日までどうかお元気でいてくださいね。

2016年、「市場をつくろう」「畑をつくろう」プロジェクトで出会えたみなさんに、心から感謝の気持ちを込めて。

良いお年を〜!

2016年12月27日 ミーナこと高瀬美菜